ピットで作業している最中に、事務所の電話が鳴る。手は油で汚れているし、リフトは上げたまま。折り返そうと思って、そのまま忘れてしまう——整備工場では珍しくない光景です。

この記事では、自動車整備工場でチャットボットに任せられる仕事と、任せてはいけない仕事を分けて整理します。結論から言えば、任せるのは整備そのものではなく「整備の外側」です。車検の時期や料金の目安、代車の有無といった毎回同じ質問と、入庫予約の一次受付。この2つを引き受けさせるだけで、手を止める回数が変わります。

電話が取れないのは、1工場あたり4.35人しかいないから

日本自動車整備振興会連合会が2025年1月に公表した「令和6年度 自動車特定整備業実態調査」によると、全国の事業場数は92,384、整備要員数は402,025人です。割り算すると、1事業場あたりの整備要員は平均4.35人。この数字は6年間ほとんど動いていません。

4人前後で、入庫の作業も、部品の手配も、来客の応対も、電話も回しています。1人がピットに入れば、事務所に残るのは実質2〜3人です。繁忙期の車検シーズンなら、電話が鳴っても取れない時間帯が必ず出ます。

しかも人は減る方向です。国土交通省の資料(2024年3月)では、自動車整備専門学校の入学者数は過去18年で約47%減少しています。同じ調査で整備要員の平均年齢は47.4歳。採用で解決しようとしても、母数そのものが縮んでいます。

つまり「人を増やして電話番を置く」は現実的な解になりません。減らせる電話を減らすほうが早い、という話になります。

電話に出られない間に、お客様は問い合わせをやめている

取り逃した電話は、後でかけ直してもらえるとは限りません。Tayoriが2025年に発表した調査では、問い合わせようとしたのに実際にはしなかった人が43.7%おり、その理由の最多は「営業時間外だった」で19.0%でした。

車検の見積りを取ろうとした人が、電話に出てもらえずに次の候補へ移る。これは失注として記録に残らないので、気づきにくい損です。

整備工場がチャットボットに任せられる3つのこと

1. 毎回聞かれる同じ質問に答える

車検はいつから受けられるか。費用はいくらぐらいか。代車はあるか。見積りは無料か。日曜はやっているか。どれも答えは決まっていて、しかも毎日聞かれます。

これを24時間答えるようにしておくと、電話の総数が目に見えて減ります。ラクスが2025年8月に発表した調査(1,008名)では、72.5%が自己解決できずに結局は人へ問い合わせているという結果でした。裏を返せば、自己解決できる作りにすれば、その分だけ電話は鳴りません。

2. 入庫・車検予約の一次受付をする

「今週の土曜は空いていますか」という電話も、会話の中で空き枠を出せば、その場で押さえてもらえます。作業中に手を止めずに予約が埋まる状態です。

予約の確定は台帳(カレンダー)とつながっている必要があります。つながっていないと、結局あとから転記する手間が残ります。

3. 営業時間外の受け皿になる

仕事帰りや日曜に「そろそろ車検だ」と思い出す人は多く、その時間の整備工場は閉まっています。夜のうちに質問と予約希望を受け止めておけば、翌朝の始業時にまとめて対応できます。

任せてはいけないのは、見積りと故障の判断

ここは線を引くべきところです。「この異音はどこが悪いですか」「うちの車だといくらですか」への回答は、実車を見ないと決まりません。チャットボットに答えさせるべきではありません。

危ないのは、その場で文章を作るタイプ(生成AI型)のチャットボットです。AI insideが2024年10月に発表した調査(生成AI導入担当218名)では、技術面に不安があると答えた人の59.2%が、事実でない回答が生成されることを理由に挙げ、最多でした。金額や安全に関わる案内で、これが起きると実害になります。

整備工場で使うなら、用意した回答の中から選ぶ方式が向いています。書いていないことは答えない。判断が要る質問は「実車を拝見してからのご案内になります」と伝えて、来店や折り返しにつなぐ。この線引きができていれば、誤った案内は起きません。

「AI相談窓口bot」を整備工場で使うと

当社のAI相談窓口botは、まさにこの線引きを前提に作っています。

  • AIに作文させず、用意したQ&Aから選ぶ。「車検 いつから」「車検 何日前」のように言い回しが違っても意味をくみ取って選ぶので、書いていない金額を勝手に案内することがありません
  • 入庫予約はGoogleカレンダーに自動登録。今使っているカレンダーがそのまま台帳になります。空き枠を見て確定し、同じ枠への二重予約はシステム側で防ぎます
  • 前日にリマインドメールを自動送信。入庫忘れを減らせます。都合が悪くなったお客様は、メールのリンクから確認画面を経てキャンセルでき、枠はすぐ次に回せます
  • 答えられなかった質問は毎朝メールで届く。「代車 軽自動車」のような想定外の質問が見えるので、回答を足せば翌日から答えられます
  • 設置はサイトにタグを1つ貼るだけ。新しい予約システムへの乗り換えも、サーバーの工事も要りません

料金は初期50,000円・月額5,000円(いずれも税込)。設置、最初のQ&A作成、予約カレンダー連携、月々の運用サポートまで含みます。電話番を1人雇うことを考えれば、比較の土俵に乗る金額だと思います。

まとめ:減らすのは作業ではなく、手を止める回数

整備工場の人手不足は、採用では当面解決しません。母数が縮んでいるからです。できるのは、4人前後で回している現場から手を止める用件を外へ出すことです。

毎回同じ質問と、入庫予約の一次受付。この2つをチャットボットに渡し、見積りと故障の判断は人が持つ。この線引きが、整備工場でうまくいく形です。

電話対応そのものの減らし方は電話対応を減らす方法、予約まわりでできることはチャットボットの予約機能にまとめています。人手不足全般の考え方は人手不足はチャットボットで補える、費用感はチャットボットの料金相場をご覧ください。

導入のご相談はAI相談窓口botまで、お気軽にお問い合わせください。