ホームページに「よくある質問」を置くか、チャットボットを入れるか。どちらも問い合わせを減らすためのものなので、片方あればもう片方は要らないように見えます。

先に結論です。多くのお店は、まずよくある質問ページを直すのが先です。チャットボットを足すのは、ページを直しても取りこぼしが残ったときになります。理由は単純で、チャットボットは答えを作ってくれないからです。

検索して出てくる比較記事は、有料ツールどうしの話です

「FAQ チャットボット 違い」で調べると比較記事がたくさん出てきます。ただ、そこで比べられているのは「FAQシステム」と「チャットボット」です。FAQシステムというのは、質問と答えを大量に登録して検索できるようにする有料ツールのこと。問い合わせが1日に何十件も来るサポート窓口で使われています。

小さなお店が持っているのは、そういうツールではありません。ホームページの中にある「よくある質問」のページ、質問が10個か20個並んでいるあれです。つまり比較記事は、最初から別のものを比べています。

基準も同じです。ある比較記事には「質問が300件以下ならチャットボット、300件以上ならFAQシステム」と書いてありました。質問が20個のお店には使えません。

違いは「自分で探すか、聞けば返ってくるか」だけです

2つの違いは、お客様の側から見ると1つしかありません。

  • よくある質問ページ:一覧が並んでいて、お客様が自分で目当ての質問を探す
  • チャットボット:お客様が聞きたいことを打ち込むと、それに合う答えが返ってくる

中身の答えは同じです。「駐車場はありますか」への答えは、ページに載っていてもボットが返しても変わりません。違うのは、お客様がその答えにたどり着く道だけです。

そして今のところ、最初に見に行かれるのはページの方です。ラクスの調査(2025年8月21〜25日・1,008人)では、自分で調べて解決したいときに最初に使う手段は「公式サイトのFAQページやヘルプ」が44.3%で1位。キーワード検索が22.5%、チャットボットは20.2%でした。

美容室で考えると、先に直すのはページです

美容室に電話でよく来る質問を並べてみます。「駐車場はありますか」「カラーは何時間かかりますか」「子どもを連れて行っても大丈夫ですか」。

この3つがよくある質問ページに書いてあれば、多くのお客様はそこで解決します。書いていなければ、電話が鳴ります。

ここでチャットボットを入れても、電話は止まりません。ボットは答えを考えてくれるわけではなく、店が用意した答えの中から選んで返すだけだからです。「子ども連れで大丈夫か」の答えを誰も用意していなければ、ボットも答えられません。答えを用意する手間は、ページでもボットでも同じだけかかります。だから先にページ、という順番になります。

載せる質問の選び方はよくある質問ページの作り方に、そのまま使える書き方はよくある質問の例文にまとめています。

それでもページで取りこぼす人が、2種類だけ残ります

ページを直しても、答えにたどり着けないお客様が残ります。2種類です。

1. 書いてあるのに、見つけられない人

質問が30個並ぶと、お客様は上から順には読みません。しかもお客様の使う言葉は、店の言葉と違います。店が「駐車場」と書いていても、お客様の頭にあるのは「車で行けますか」です。先ほどのラクスの調査でも、こうした窓口に求めることの1位は「直感的に操作できて迷わず使える」41.2%、3位が「入力ミスや言葉の揺れにも対応してくれる」31.6%でした。探させると、そこで落ちます。

2. 営業時間外に見ている人

夜10時にホームページを見て、知りたいことが載っていなかった人は、電話ができません。Tayoriの調査(2025年)では、問い合わせをしようとしてやめた人が43.7%いて、理由の最多が「営業時間外だった」19.0%でした。翌朝まで覚えていてくれるお客様は、そう多くありません。

この2種類に心当たりがあるかどうかが、チャットボットが要るかどうかの分かれ目になります。

自分の店はどちらが要るのか、3つの質問で分かります

順番に答えてみてください。

  • 電話でよく聞かれる質問が、よくある質問ページに載っていますか。載っていないなら、やることはページに足すことです。ボットはまだ要りません。
  • 載っているのに、同じ質問の電話が鳴りますか。鳴るなら、お客様は探せていません。聞けば返ってくる形にすると届きます。
  • 営業時間外や定休日にも、問い合わせが来ていますか。来ているなら、受け皿が要ります。

思い出しで答えなくて大丈夫です。電話を受けたときに、聞かれた内容と時間だけを3日分メモすれば十分わかります。

1つ目で止まったお店は、ページを直すだけで問い合わせが減ります。作ったのに減らないという場合は、よくある質問を作ったのに問い合わせが減らないで見直す場所を4つ挙げました。2つ目・3つ目に当てはまるお店の進め方は、FAQを自動化して問い合わせを減らすにはが近い内容です。

AI相談窓口botの場合|答えを2か所で持たなくて済みます

当社のAI相談窓口botは、スプレッドシートに書いた質問と答えの中から、お客様の聞き方に合うものを選んで返します。AIに文章を作らせない方式なので、書いていないことは答えません。

この形の利点は、答えを1か所で持てることです。スプレッドシートに足した答えがそのままボットの回答になり、同じ文章をホームページのよくある質問ページにも使えます。2つを別々に書き分ける必要がありません。

件数も300件は要りません。当社のbotは公開したとき28問で始めて、聞かれた質問を足していき、今は190問になりました。完成させてから公開するのではなく、公開してから育てる形です。答えられなかった質問は毎朝メールで届くので、それを足していけば増えていきます。

営業時間外の受け皿にもなります。夜10時の質問にその場で答えて、そのまま予約の一次受付まで進めます。料金は初期50,000円・月額5,000円(いずれも税込)です。

できないことも書いておきます。1つ目は、お店が用意していない答えは返せないこと。2つ目は、すでに鳴っている電話には出られないこと。ボットが減らせるのは、電話をかける前に調べる人の分だけです。

まとめ

よくある質問ページとチャットボットは、どちらかを選ぶものではありません。順番があります。

まずページに答えを置く。それでも「探せない人」と「営業時間外の人」が残るなら、聞けば返ってくる形を足す。判断に必要なのは質問の件数ではなく、電話で何を聞かれているかという3日分のメモです。