よくある質問のページを作ろうと決めたあと、いちばん時間が溶けるのは「何を書くか」を考えている時間です。他社のページを見に行っては戻り、白紙のまま数日たってしまう。
結論から書きます。よくある質問の例文は、ゼロから考える必要がありません。どのお店でも必ず聞かれる基本10問を先に埋めて、自分の業種に特有の数問を足す。この順番なら、最初の1時間で形になります。
私たちは業種ごとにボット用のQ&Aを組んでいますが、清掃・便利屋・出張サービスと業種が変わっても、最初に並ぶ10問はほぼ同じ顔ぶれになります。料金、対応できる範囲、対応エリア、受付時間、当日対応、見積りの有無、支払い方法、キャンセルの扱い。並び順が入れ替わるだけです。
どのお店でも聞かれる基本10問(よくある質問の例文つき)
まず埋めるのはこの10問です。答えの例は、○○や△△を自分のお店の事実に置き換えてお使いください。
- 料金はいくらですか?
○○コースは○,○○○円(税込)です。追加料金がかかるのは△△の場合だけで、作業前に必ずお伝えします。料金の一覧はこちらのページでご確認いただけます。 - 予約は必要ですか? 当日でも大丈夫ですか?
ご予約をおすすめしていますが、空きがあれば当日もお受けできます。当日のご希望は、お電話またはこちらのフォームからご連絡ください。 - 営業時間と定休日を教えてください
○時〜○時、定休日は△曜日です。○時以降にいただいたご連絡は、翌営業日にお返事します。 - どのくらい時間がかかりますか?
○○の場合は約△分です。状態によって前後しますので、お急ぎのときは受付時にお申し付けください。 - 支払い方法は何が使えますか?
現金、クレジットカード、○○ペイがお使いいただけます。お振込をご希望の場合は事前にご相談ください。 - 予約の変更やキャンセルはどうすればいいですか?
前日の○時までにご連絡いただければ、変更・キャンセルは無料です。それ以降は△△をお願いしています。 - 駐車場はありますか?
店舗前に○台分ございます。満車のときは、徒歩○分の△△パーキングをご利用ください(駐車料金はお客様負担です)。 - どこまで対応してもらえますか?
○○市と近隣の△△市まで伺っています。エリア外でもご相談いただければ調整できる場合があります。 - お見積りは無料ですか?
無料です。現地を見てからのお見積りになりますので、金額にご納得いただいてからのご依頼で構いません。 - 初めてですが、何を持っていけばいいですか?
とくにご用意いただくものはありません。○○をお持ちの方はご持参ください。
10問すべてに共通しているのは、お客様が「行くかどうか」「頼むかどうか」を決めるために必要な情報だという点です。会社の理念やサービスへのこだわりは、よくある質問ではなく別のページの仕事になります。
業種別に足すよくある質問の例文
基本10問が埋まったら、自分の業種でしか出てこない質問を足します。答えはお店の事実でしか埋められないので、ここでは質問の形だけを並べます。
美容室・サロン
- 担当者を指名できますか?
- カットとカラーを一緒にお願いすると何分かかりますか?
- 子どもを連れて行っても大丈夫ですか?
- 白髪染めもお願いできますか?
- 当日の空き状況はどこで分かりますか?
整体院・接骨院・治療院
- 保険は使えますか?
- どんな服装で行けばいいですか?
- 何回くらい通う必要がありますか?
- 妊娠中でも受けられますか?
- 施術中に電話がつながらないときはどうすればいいですか?
飲食店
- 個室はありますか? 何名から使えますか?
- アレルギーや苦手な食材に対応してもらえますか?
- ケーキの持ち込みはできますか?
- 子ども用の椅子や食器はありますか?
- 何名から予約できますか?
教室・学習塾
- 体験レッスンはありますか? 費用はかかりますか?
- 月謝以外にかかる費用はありますか?
- 休んだときの振替はできますか?
- 対象は何歳(何年生)からですか?
- 送迎や自習室はありますか?
出張型のサービス(清掃・修理・工事)
- 作業中は立ち会いが必要ですか?
- 駐車スペースがない場合はどうすればいいですか?
- 雨の日でも作業してもらえますか?
- 養生や後片付けはしてもらえますか?
- 追加料金が発生するのはどんなときですか?
士業・専門家
- 初回のご相談は無料ですか?
- どの分野を扱っていますか?
- 相談当日に持っていくものはありますか?
- オンラインでも相談できますか?
- 費用の目安はどのくらいですか?
質問を思いつかないときは、頭の中を探すより記録を見た方が早いです。着信履歴、問い合わせフォームの中身、店頭で聞かれたことのメモ。集め方の手順はよくある質問(FAQ)の作り方|最初は何問から?で詳しく書きました。
答えは3行で書くと迷わない
例文をそのまま貼るだけでも形にはなりますが、自分の言葉で書き直すときに崩れやすいのが答えの部分です。次の3行の順番で書けば、長くも短くもなりません。
- 1行目:結論——できる・できない、いくら、何分。最初の一文で言い切ります。
- 2行目:条件や例外——「ただし△△の場合は」「○時以降は」。ここを省くと、あとで電話がかかってきます。
- 3行目:次の一手——予約ページへ、料金表へ、お電話へ。読んだ人が次に何をすればいいか書きます。
逆に、答えとして機能しない書き方も決まっています。規約や約款をそのまま貼る。「お客様一人ひとりに合わせた丁寧な対応を心がけております」のように、姿勢を語って質問には答えていない。答えを書かずに別ページへのリンクだけを置く。この3つは、読んだ人がもう一度探し直すことになります。
コピペしたあとに直す2か所
例文を貼り終えたら、公開前に2か所だけ手を入れてください。
1つ目は、数字と固有名詞をすべて自分のお店のものに置き換えること。「○○円」が1か所でも残っていると、そこだけでページ全体の信用が落ちます。
2つ目は、同じ質問の言い換えを用意しておくことです。「駐車場はありますか?」と書く人もいれば、「車で行けますか」「停められますか」と聞く人もいます。ラクスが2025年8月に1,008人へ行った調査では、問い合わせ窓口で分かりやすいと感じる条件として「表現の違いを吸収して回答してくれる」が31.6%挙がっています。同じ意味の言い方を並べて登録できる仕組みなら、この差を吸収できます。
例文がそろっても、置き場所を間違えると読まれない
よくある質問は、探されている場所に置かないと使われません。前述のラクスの調査では、自分で調べて解決しようとするときに最初に使うチャネルは「公式サイトのよくある質問・ヘルプページ」が44.3%で1位でした。作る場所としては正しいわけです。
ところが同じ調査で、自己解決を試みた人の72.5%が結局解決できず、人に問い合わせています。質問が30問、50問と増えるほどページは縦に長くなり、自分の知りたい1問を見つける前に離脱してしまう。Tayoriが2025年に行った調査では、問い合わせようとしたのに実際にはしなかった人が43.7%で、その理由の最多は「営業時間外だった」の19.0%でした。
対策は、ページを短くすることではありません。並べて読ませるのをやめて、聞かれた質問に答える形に変えることです。同じQ&Aをチャットボットに読ませておけば、お客様は一覧を目で追う代わりに、知りたいことだけを打ち込んで答えを受け取れます。この考え方はFAQを自動化して問い合わせを減らすにはにまとめています。
FAQページで検索結果に目立つ作戦は、2026年5月で終わりました
少し前まで、よくある質問に構造化データを入れると検索結果に質問と答えが折りたたまれて表示されました。これを狙って作る解説記事がいまも残っていますが、Googleは公式の更新履歴で、この表示を2026年5月7日以降は出さないと告知し、6月には該当ドキュメントそのものを削除しています。
つまり、よくある質問を作る見返りは、検索結果の見た目ではなくなりました。残っている見返りは、同じ質問に何度も答える手間が減ること、営業時間外でもお客様が自分で答えを見つけられること、そして「聞かないと分からない」で離れていくお客様を減らせることです。この3つは検索エンジンの仕様に左右されません。
AI相談窓口botなら、書いた例文がそのまま答えになります
私たちが提供しているAI相談窓口botは、用意したQ&Aの中から答えを選んで返す仕組みです。AIに文章を作らせないので、書いていないことを勝手に答えません。よくある質問の例文をそのまま登録すれば、それが回答になります。
あわせて次のように動きます。ひとつ、言い換えを登録して「車で行けますか」と「駐車場はありますか」を同じ答えにつなげる。ふたつ、答えられなかった質問を自動で集めて翌朝メールで届ける——これが次に足すべき例文のリストになります。みっつ、予約の受付まで会話の中で完結させ、前日にリマインドを送り、キャンセルは確認画面つきの専用ページで受ける(チャットボットの予約機能でできること)。
料金は初期50,000円・月額5,000円(いずれも税込)です。できないこともはっきりお伝えしておきます。鳴っている電話に出ることはできません。例文の中身を代わりに考えることもできません。答えの材料になる事実は、お店の側にしかないからです。
なお、公開してから育てる前提で構いません。当社自身のボットも28問で公開して、いまは190問あります。聞かれた質問が記録に残る仕組みについてはチャットボットの会話ログでわかることもあわせてご覧ください。
まとめ
よくある質問の例文は、立派な文章を探しに行く作業ではありません。どのお店でも聞かれる基本10問を先に埋め、自分の業種の数問を足し、答えは「結論・条件・次の一手」の3行で書く。この順番なら白紙の時間がなくなります。
そして、書いた例文は並べて置くだけで終わらせないでください。聞かれたときに答える形にしておくと、営業時間外の問い合わせも取りこぼさずに受けられます。