チャットボットを入れると、お客様とのやり取りがそのまま記録に残ります。これが会話ログです。ではその会話ログをどう分析すればいいのか。調べてみると、見るべき指標の一覧、ダッシュボードの読み方、集計してPDCAを回す手順、といった説明が並びます。

先に結論を書きます。一人で店をやっているなら、会話ログの分析はしなくて構いません。見るのは週に1回、答えられなかった質問の一覧だけです。同じ質問が2回以上並んでいたら、答えを1行書いて足す。やることはこれだけで足ります。

世の中の「会話ログ分析」は、分析する担当者がいる会社の話

会話ログ分析として紹介されている手順は、だいたい次のような中身です。解決率や離脱率といった指標を並べる。管理画面で未回答の質問を確認する。データを書き出して質問の種類ごとに集計する。その結果を持ち寄って、次に何を直すか決める。

どれも正しいのですが、前提が1つあります。問い合わせ対応の担当者がいて、その人の仕事のなかに「分析する時間」が入っていることです。

美容室の店主にその時間はありません。カットの合間に管理画面を開いて離脱率を眺めることは、まず起きません。分析を前提にした道具は、たいてい最初の1週間だけ開かれて、そのあと開かれなくなります。

一人の店が見るのは、答えられなかった質問だけでいい

会話ログに残るものは、大きく2つに分かれます。答えられた質問と、答えが用意されていなくて答えられなかった質問です。

前者は放っておいて構いません。うまくいっている証拠だからです。次にやることが書いてあるのは、後者だけです。

たとえば美容室で「駐車場はありますか」と聞かれて、ボットが答えられなかったとします。やることは決まります。駐車場についての答えを1行書いて足す。次の日から、同じ質問には答えが返ります。分析というより、穴が空いた場所に1つずつ蓋をしていく作業です。答えの書き方はよくある質問(FAQ)の作り方にまとめています。

電話だと、同じ質問が何回来たかは残らない

この「答えられなかった質問を見る」というやり方は、電話ではできません。電話の内容は、受けた人の記憶にしか残らないからです。

楽天コミュニケーションズが2023年10月に発表した中小企業の電話対応に関する実態調査では、電話対応の課題として「記録が残らない」を挙げた人が16.1%いました(社員6〜300人の企業に勤める課長補佐以上500人が回答)。

記録が無いと、「そういえば最近よく聞かれる気がする」というところで話が止まります。何回聞かれたのかは、誰にも分かりません。

ボットの場合は、お客様が入力した言葉がそのまま残ります。だから回数を数えられます。この違いについてはチャットボットの会話ログでわかる、お客様が本当に知りたいこと電話対応を減らす方法でも触れています。

週に1回10分、やることは3つだけ

実際の手順です。

  1. 答えられなかった質問の一覧を開く
  2. 同じ内容が2回以上来ているものにだけ、印をつける
  3. その質問の答えを1行書いて、質問と回答の一覧に足す

1回しか来ていない質問は、追わなくて構いません。たまたまその人が聞いただけ、ということが多いからです。2回目が来たときに足せば間に合います。

1回で足すのは3問もあれば十分です。10分あれば終わります。よくある質問の例文に、そのまま使える書き方を載せています。

数字を見るなら、この2つで足りる

それでも数字を見たい場合は、2つだけで足ります。今週何件聞かれたか。そのうち答えられなかったのは何件か。

2つ目が週ごとに減っていれば、うまくいっています。増えているなら、店のほうで何か新しいことを始めた時期と重なっていないか確かめてみてください。新しいメニューやキャンペーンを出すと、それについての質問が一気に増えます。

解決率や満足度のスコアは、小さな店ではあまり役に立ちません。月に20件しか質問が来ない店では、1件の評価でスコアが大きく上下してしまうからです。上下した理由を考えても、答えは出ません。

AI相談窓口botの場合|並べ替えまで済ませて、毎朝メールで届く

当社のAI相談窓口botは、この「答えられなかった質問を見る」ところを店主が探しに行かなくていい形にしています。

答えが見つからなかった質問は、自動で未対応の質問として記録されます。言い方が違っても同じ内容なら1行にまとまり、聞かれた回数が増えていきます。「役に立たなかった」と押された質問も、同じ一覧に入ります。

そして毎朝1通、回数が多い順に並べたメールが届きます。0件の日は届きません。届いたメールを上から読んで、多いものから答えを足していけば、週1回の作業も探すところから始めなくて済みます。

答えの追加はお客様ご自身でスプレッドシートに1行書いていただく形で、追加費用はかかりません。料金は初期50,000円・月額5,000円(いずれも税込)です。

できないことも書いておきます。当社のボットは、答えを自動で作ることはしません。用意された文章から選んで返す作りなので、用意されていない質問には「分かりません」と答えます。ウソをつかない代わりに、最後の1行を書くのは人の仕事として残ります。

まとめ

会話ログの分析は、担当者がいる会社のやり方です。一人で店をやっているなら、週に1回、答えられなかった質問の一覧を見て、2回以上来ているものに答えを1行足す。それだけで、聞かれたことに答えられるボットに育っていきます。

分析の時間は取れないけれど、聞かれたことにはきちんと答えたい。そういうお店に向けてこの形にしています。お気軽にご相談ください。