よくある質問のページを作ったのに、電話も問い合わせも減らない。そういうご相談をいただくことがあります。
原因はたいてい、ページの見た目ではなく質問の選び方にあります。ラクスが2025年8月に1,008人へ行った調査があります。自己解決できなかった理由の1位は「必要な情報自体が存在しない」でした。お客様が知りたかったことが、そもそも載っていなかったということです。
見直す場所は4つあります。どれも作り直しではなく、足し算で直せます。
よくある質問は、お客様がいちばん最初に見に行く場所です
同じ調査で、疑問を自分で解決するとき最初に使うものを聞いたところ、1位は「公式サイトのFAQページやヘルプ・ガイドページ」で44.3%でした。インターネットでのキーワード検索22.5%、チャットボット20.2%より多い数字です。
ところが、自己解決できずに結局スタッフへ問い合わせた経験がある人は72.5%にのぼります。7割の人が、いったんよくある質問を見たうえで、解決できずに電話をかけています。
ページが見られていないのではありません。見られたうえで、答えになっていないのです。
見直す場所1|お客様が実際に聞いている質問が載っていない
多くのお店のよくある質問は、開店準備のときに机の上で考えて作られています。営業時間、定休日、駐車場、支払い方法。どれも必要ですが、これは「お店が説明したいこと」の並びです。
美容室で実際に電話が鳴る内容を思い出してみてください。「今日これから空いていますか」「カラーとカットで何時間かかりますか」「白髪染めもできますか」。この3つがページに無ければ、お客様は受話器を取ります。
直し方は簡単です。ここ3日間にかかってきた電話の内容を、メモに書き出してください。同じ質問が2回出てきたら、それはよくある質問です。
弊社のAI相談窓口botも、公開したときの登録数は28問でした。実際に聞かれた質問を足していった結果、いまは190問あります。最初から190問を考えて用意したわけではありません。
見直す場所2|答えが「自分の場合」に当てはまらない
同じ調査で、自己解決できなかった理由の2位は「自分のケースに当てはまらなかった」でした。
美容室のページに「カットは約60分です」と書いてあるとします。これを読んだお客様が、カラーもしたい人だったらどうでしょうか。自分が何時間かかるのか分かりません。結局、電話で確認することになります。
答えは3行で書けます。1行目に結論、2行目に条件、3行目に次にすること。
「カットのみで約60分です。カラーを合わせる場合は約2時間半かかります。ご予約の際に、ご希望のメニューをお伝えください。」
この2行目があれば、時間を確かめるための電話は要りません。
見直す場所3|お店の言葉で書いてあって、お客様の言葉になっていない
調査では、よくある質問やチャットボットが使いやすいと感じる条件の3位に「入力ミスや言葉の揺れ(表現違い)にも対応してくれる」が31.6%で挙がっています。
美容室のページに「お車でお越しのお客様へ」と書いてあるとします。お客様が探している言葉は「駐車場」です。ページ内を目で追っても見つかりません。
見出しは、お客様が使う言葉で書いてください。この場合なら「駐車場はありますか」です。店内の掲示物の言い回しをそのまま持ってくると、この行き違いが起きます。
見直す場所4|ページはあるのに、電話をかける前に開かれていない
よくある質問が、サイトの一番下のメニューにしか置かれていないことがあります。お客様が疑問を持つのは、料金ページや予約ページを見ている最中です。その場から1タップで開けなければ、わざわざ探しには戻りません。
同じ調査では、使いやすいと感じる条件の1位が「直感的に操作できて迷わず使える」41.2%、2位が「質問例や入力のヒントがある」34.0%でした。
料金ページと予約ページの2か所に、よくある質問への入口を置いてください。
直す順番は、聞かれた質問を集めるところから
4つを一度に直す必要はありません。順番があります。
まず、ここ3日の電話の内容をメモに書き出す。次に、そのなかで2回以上出てきた質問をページに足す。それから、答えに条件の1行を加える。最後に、見出しをお客様の言葉に直す。
新しくページを作り直すより、いま出ている質問を足すほうが早く効きます。よくある質問の作り方そのものはよくある質問(FAQ)の作り方に、そのまま使える答えの書き方はよくある質問の例文にまとめています。
聞かれた質問を、メモを取らずに集める方法
電話の内容を3日間メモし続けるのは、忙しい日ほど続きません。
AI相談窓口botは、お客様が打ち込んだ質問をすべて記録します。答えられなかった質問は、翌朝メールで一覧になって届きます。届いた質問をQ&Aに足せば、翌日から答えられるようになります。記録の読み方は会話ログとはで説明しています。
答えは登録済みのQ&Aから選んで返す方式です。AIに文章を作らせないので、料金や営業時間を勝手に言い換えることがありません。言い換えの学習も行うため、「駐車場」と「車」のような表現の違いにも答えられるようになります。24時間の自動応答そのものについてはFAQを自動化して問い合わせを減らすにはをご覧ください。
料金は初期50,000円、月額5,000円です(いずれも税込)。
できないこともあります。鳴っている電話に出ることはできません。載せる答えの中身も、こちらでは考えられません。何分かかるのか、その日が空いているのかを知っているのは、お店だけだからです。
まとめ
問い合わせが減らないとき、直すのはページの見た目ではなく、載せる質問の選び方です。
- 実際に聞かれている質問が載っているか
- 答えに「自分の場合」の条件が書いてあるか
- 見出しがお客様の使う言葉になっているか
- 疑問を持つ場所から1タップで開けるか
まずは3日分の電話をメモに書き出すところから始めてください。よくある質問は、考えて完成させるものではなく、聞かれた質問で育てるものです。
出典:株式会社ラクス「問い合わせ機能の利用実態と改善案に関する調査」(2025年8月21日〜25日・自己解決チャネルの利用経験者1,008人)