「電話が鳴るたびに作業が止まる」「担当者が出られず、折り返しばかり増える」。そんな悩みから、電話の自動応答を調べ始めた方は多いはずです。

先に結論です。電話の自動応答には大きく3つの方式(音声ガイダンス・IVR・ボイスボット)があり、いずれも「かかってきた電話にどう出るか」を自動化する仕組みです。ただ、中小の店舗や事務所にかかってくる電話の用件は、よくある質問と予約の2つに集中しています。この2つは、電話になる前にホームページ上のチャットボットで解決できます。

この記事では、自動応答3方式の違いと、「電話に出る自動化」と「電話を減らす自動化」の使い分けを解説します。

電話の自動応答とは?3つの方式

電話の自動応答とは、かかってきた電話に機械が最初に応答する仕組みの総称です。方式によって、できることが大きく違います。

①音声ガイダンス(録音メッセージを流す)

「本日の営業は終了しました。営業時間は10時から19時です」のように、録音した案内を流す方式です。留守番電話もこの仲間に入ります。

費用は最も安く、電話機の標準機能で済む場合もあります。ただし一方的に案内を流すだけなので、お客様の用件は解決しません。急ぎの方はそのまま他店へ流れます。

②IVR(番号で振り分ける)

「ご予約は1を、営業時間のご確認は2を押してください」と案内し、押された番号で通話を振り分ける方式です。用件ごとに担当者へつないだり、録音案内を流したりできます。

振り分けはできても、最後に答えるのは人です。担当者が手を離せなければ、折り返しの問題はそのまま残ります。

③ボイスボット(AIが会話する)

AIがお客様の発話を聞き取り、会話しながら用件を進める方式です。聞き取った内容を文字にして担当者へ通知できるサービスもあります。

3方式の中では最も高機能ですが、聞き取りの精度には限界があり、複雑な用件は人への引き継ぎが前提です。費用も3方式の中では高めになります。

中小企業の64.4%が電話対応に課題を抱えている

楽天コミュニケーションズが2023年8月に行った「中小企業の電話対応に関する実態調査」(社員数6〜300人の企業の課長・課長補佐クラス以上500人が対象)では、電話でお客様からの問い合わせを受けている人の64.4%が「課題がある」と答えました。

課題の内訳は次の通りです。

  • 即答できず、折り返しの電話が多い:26.7%
  • 対応をする人がいない:19.5%
  • 録音をしていないので会話内容の記録がない:16.1%

一方で、改善のために行っていることは「特になし」が36.1%でした。課題を感じながら、対策は手つかずのままという企業が3社に1社あります。

注目したいのは、課題1位の「折り返しが多い」です。これは電話の受け方を変えても解決しません。自動応答で振り分けても、答えられる人がいなければ折り返しは発生し続けるからです。

選ぶ前に、かかってくる電話の用件を仕分ける

どの方式にするかを決める前に、1週間だけ、かかってきた電話の用件をメモしてみてください。多くの店舗・事務所では、次の3つに分かれます。

  • よくある質問(営業時間・場所・料金・持ち物など)
  • 予約と、予約の変更・キャンセル
  • 個別の相談・当日の緊急連絡

このうち人が出るべきなのは、3つ目の個別の相談と緊急連絡だけです。よくある質問は答えが決まっていて、予約は手順が決まっています。決まっていることは、そもそも電話で受ける必要がありません。

「電話に出る自動化」より「電話を減らす自動化」

よくある質問と予約は、ホームページにチャットボットを置けば、電話になる前に解決できます。お客様が知りたいことにその場で答え、予約もその場で確定すれば、電話は最初から鳴りません。電話対応を減らす方法の全体像はこちらの記事で解説しています。

電話をかけない客層を拾える点も見逃せません。Tayoriの2025年の調査では、43.7%の人に「問い合わせを検討したが、実際にはしなかった」経験があり、理由の最多は「営業時間外だった」(19.0%)でした。電話しか窓口がないと、この人たちは何も言わずに離れていきます。営業時間外の機会損失については別記事にまとめています。

ただし、チャットボットなら何でもよいわけではありません。ラクスの2025年8月の調査(1,008名対象)では、72.5%の人がチャットボットなどで自己解決できず、結局有人対応に至った経験があると答えています。分かれ目は回答の正確さです。

当社のAI相談窓口botは、AIに回答を作文させず、お店側が用意したQ&Aから選んで答える方式です。ボイスボットの聞き取りミスのような「AIの言い間違い」が起きません。予約はGoogleカレンダーと連携し、空き枠の案内から確定、前日のリマインドまで自動で進みます(予約機能でできることの詳細はこちら)。答えられなかった質問は毎朝メールでまとめて届くので、翌日Q&Aを1つ足せば済みます。料金は初期50,000円・月額5,000円(いずれも税込)です。

使い分けの目安

電話の自動応答とチャットボットは、どちらか一方を選ぶものではなく、用件で使い分けるものです。

  • 個別の相談・当日の緊急連絡 → 電話のまま残す(時間外は音声ガイダンスで営業時間を案内)
  • よくある質問・予約 → ホームページのチャットボットに移す
  • 電話でしか連絡しない常連のお客様が多い → IVRやボイスボットの追加を検討する

大事なのは、全部を一度に自動化しないことです。まず件数の多い用件を1つチャットボットに移し、電話が減るのを確かめてから次を考える。この順番なら、費用も失敗も小さく済みます。

まとめ

電話の自動応答は「電話にどう出るか」の仕組みで、音声ガイダンス・IVR・ボイスボットの3方式があります。ただ、用件の中心であるよくある質問と予約は、電話になる前にチャットボットで解決できます。「出る自動化」と「減らす自動化」を用件で使い分ければ、少人数でも電話対応は回せます。

チャットボット側の費用が気になる方は、チャットボットの料金相場の記事もあわせてご覧ください。